今回は歯磨き粉の選び方や、より虫歯になりにくいフッ素の使い方をご説明していきます。
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目次
- ○ フッ素の役割は
- ○ フッ素配合歯磨剤の選び方は?
- ○ フッ素の効果的な使用法
- ・細菌の膜をしっかり取り除く
- ・お口をゆすぎ過ぎない
- ○ フッ素の注意点
- ○ まとめ
フッ素の役割は
フッ素には歯を強くする効果があります。フッ素イオンが歯の中に浸透し、歯の構造を変え、虫歯になりにくい構造にします。特に乳歯・成熟する前の永久歯(幼若永久歯)は歯の構造が弱く虫歯になりやすいため、フッ素イオンが歯に吸収され、歯の構造を強くすることで、虫歯になりにくい歯質になります。
エナメル質に限局した初期虫歯では、虫歯菌の作る酸によって壊された歯の構造にフッ素イオンが入り込むことで、虫歯の進行を止めることができます。このようにフッ素は虫歯の予防効果があることがわかっています。
フッ素配合歯磨剤の選び方は?
市販の歯磨剤に配合可能なフッ素は1500ppm以下と薬事法で決まっており、多くの歯磨剤は最高濃度のフッ素が入っています。その他にフッ素の効果を高めるために、フッ素を長く口の中に留めるための成分が入っていたり、うがいにより吐き出すフッ素の量を減らす為、発泡剤が含まれていないものがあります。
成分表にフッ化ナトリウムと記載があったり、パッケージにフッ素配合と書いてあるものを選べば、フッ素入りの歯磨剤を選ぶことができます。フッ素は濃度が高い程虫歯の予防効果は高いとされており、1450ppmのフッ素配合の歯磨剤が良いでしょう。
他にも歯周病の予防成分、知覚過敏、着色を落とす研磨剤が多く含まれているものがあるので、用途に選んで選ぶのが良いでしょう。また、歯磨剤自体のフレーバーも強すぎる場合や好みのものでないと、うがいの回数が増えてしまうので、歯磨き後に少しフレーバーが残っていても、気にならないものが良いです。
フッ素の効果的な使用法
細菌の膜をしっかり取り除く
歯ブラシで落としたい汚れは食事の食べカスではなく、歯に付着している細菌の塊です。細菌はショ糖を分解して、歯の表面に付着する力があります。ただ口をゆすぐだけでは、細菌を落とすことは出来ません。台所のシンクは放置していると、ヌルヌルになるのと似ています。
歯ブラシやフロス、歯間ブラシ等を使用して汚れをこすり落とすことで、フッ素が歯の表面に届くようになります。
お口をゆすぎ過ぎない
フッ素入りの歯磨きでブラッシングした後に注意してほしいのは『お口をゆすぎ過ぎない』ということです。
歯磨剤をたくさん付けて歯磨きをすると、口の中が泡だらけになります。発泡成分によりフッ素が歯の隅々まで行き渡るのは良いのですが、口の中が泡だらけになるとを、歯磨きの時間が短くなり、うがいの回数が増えることで、フッ素が口の中に留まる時間が短くなります。
歯磨剤の量は大豆一粒ほどが良いです。寝る前の歯磨きは15分ほどしっかりと行い、汚れを取るのと同時に、フッ素を歯全体に行き渡らせます。
うがいは水量が10mlほどでブクブクする時間を少し長めにして、フッ素がお口全体に行き渡るようにしましょう。少し歯磨き粉の味が残るぐらいでも大丈夫です。歯磨き粉の味が気になるという方は、デンタルリンス・洗口剤などのうがいが終わった後に使用するものでも大丈夫です。また、歯ブラシをした後は飲食してはしないようにしましょう。
フッ素の注意点
フッ素は摂取量が多くなってしまうと、嘔吐などの中毒症状が現れることがあります。成人の場合は相当量のフッ素を摂取しないと起きませんが、お子さんは成人と比べて少ない量で中毒になってしまうので注意が必要です。うがいの上手く出来ないお子さんは、フッ素を上手に吐き出すことが出来ないので、高濃度のフッ素の使用は控え、500ppmや950ppmなどの低濃度のフッ素を年齢合わせて使用しましょう。
しかし、フッ素は自然界にも存在していて、普段私たちが口にしている食べ物にも含まれています。また、海外では水道水の中にも含まれていたり、フッ素自体に強い毒性がある訳ではありません。きちんと使用すれば、虫歯予防の効果が高いことがわかっています。
まとめ
虫歯予防にフッ素配合の歯磨剤を利用することは手軽かつとても効果的な方法です。正しく歯磨剤を使うとより効果を高めることが出来ます。
普段の歯磨きでは隅々まで汚れが落とせていない場合があります。定期的に歯科医院を受診して、隠れた汚れを落とすことも重要になります。