基本的には、歯列に隙間がある場合は、インプラント・ブリッジ・入れ歯の治療を行う必要があります。
治療をしないと周りの歯が動くことで色々な悪影響があります。
今回は歯が動くことについて説明していきます。
歯はどのように動くの
歯が動くとはどういうことなのでしょうか?
弱い力が絶えず歯にかかることで、骨が吸収・添加され、歯が移動します。矯正で歯を動かすのは、ワイヤーやゴムで歯に力を加えているためです。
歯には日常的に噛む力が加わっています。歯列が揃っている場合は、歯と歯が支え合い力を分散することができます。しかし、周囲に歯がないと力をうまく周りに伝えることができず、負担がかかってしまいます。
負担が大きくなると、歯が力を支えられず、力の加わる方向に倒れてしまいます。(傾斜)
歯に力が加わる以外に、噛み合う歯が無くなった場合も歯が伸びてきます。この動き方を”挺出”と言い、噛み合わせを求めて歯が上下に動くことです。
歯が動くことで起こる悪影響
①歯列不正
歯が抜けたままだと周りの歯が動いてしまいます。長期間抜けた状態のままだと、歯が完全に傾斜してしまいます。隣り合う歯の接触関係が崩れてしまうことで、汚れが溜まりやすい環境になり、虫歯になりやすくなります。
また、歯が傾斜した状態では歯の治療をするのが難しくなります。
ブリッジや入れ歯の治療では、歯が平行になりように形を整える必要があります。歯が傾斜していると歯の平行性を確保することが難しくなるためです。
インプラント治療でも、咬み合わせが狂っている場合は矯正等を行い、全体的に咬み合わせを整えてあげることが理想とされます。
②顎関節症、顔が歪む
歯が挺出してしまうと、顎を左右に動かすときに、歯が干渉するようになります。干渉することで、顎の動き方がかわってしまい、顎関節に負担がかかります。
顎関節症の発症には歯並び・顎関節の構造・日常的な噛み締めなどが関与しています。歯並びが悪くなることにより、顎関節症を引き起こすことがあります。
また、歯が傾斜、挺出することで、上下の歯の咬み合わせが狂います。咬み合わせは下顔面の顔貌に関与しているので、顔が歪んでしまい場合もあります。
③噛み合わせを合わせるために神経を抜く
歯が挺出してしまい、咬み合わせを直す為には、歯を削らないといけません。あまりにも上下に歯が動いてしまった場合には、神経を抜く必要があります。神経をとると、歯の寿命が短くなってしまいます。
歯を抜いたら放置しないことが大切!
歯を抜けたままにしておくと、周囲の歯や顎関節に悪影響があります。
放置した時間が長ければ、長いほど悪影響が大きく出てしまいます。一度移動してしまうと、歯を元の状態に戻すのは難しいです。
もし歯を抜かないといけない状態になったら早めに抜歯し、治療が必要な場合は早めに治療するようにしましょう。