たしかに子供の歯(乳歯)は抜け落ちてしまいますが、使い捨てて大丈夫という訳ではありません。
乳歯の役割や大人の歯(永久歯)が生え揃うまでに注意することをご説明していきます。
目次
- ○ 乳歯はいつ頃生えてくるの?
- ○ 乳歯の役割って何?
- ・ものを噛む・顎を成長させる
- ・永久歯の生えてくる案内をする
- ○ 乳歯は虫歯になりやすい?
- ○ 乳歯を虫歯にしない為にすること
- ・毎日の歯磨きがうまく行えているか
- ・食事・おやつの取り方に問題がないか
- ・フッ素は使用しているか
- ○ まとめ
乳歯はいつ頃生えてくるの?
乳歯は8ヶ月頃に下の前歯から生え始め、2歳半で乳歯列が完成します。6歳頃から下の前歯に永久歯が生え始め、歯の交換が始まります。全ての歯が生え変わるのは10〜12歳頃です。
歯の交換には個人差がありますので、生え変わりが遅くても心配しないでください。ただ、いつになっても歯の交換が起こらない場合は乳歯の根の吸収が正常に行われていない場合がありますので、歯科医院にてレントゲン撮影をして問題がないか確認した方が良いでしょう。
また、乳歯は歯と歯の間に隙間があることが多いです。
永久歯の生えてくるスペースとして必要なので特に問題ありません。
乳歯の役割って何?
ものを噛む・顎を成長させる
成長期に食事は欠かせません。
ものをよく噛むことで、栄養を体に取り込みやすくします。
よく噛んで食事をすると、顎が成長し、永久歯の歯並びが良くなります。
最近はジャンクフード等のやわらかい食事がたくさんあり、噛む回数が減ってきています。それに伴い、顎の小さくなっており、大人の歯が生えてくるスペースが少なくなってきています。
また、よく噛んで食事をすると脳の満腹中枢を刺激するので、肥満の予防にもつながります。
永久歯の生えてくる案内をする
乳歯の下の歯茎には永久歯が生え変わる準備をしています。
乳歯は自分が抜けて時に生え変わる永久歯が生えてくるスペースを確保してくれています。
乳歯は虫歯になりやすい?
乳歯は永久歯と比べると石灰化が弱く柔らかいため、虫歯になりやすく、虫歯の進行が早いです。
乳歯が虫歯になってしまうと周りの歯が倒れてきてしまい、永久歯の生えてくるスペースが十分に確保できないため、歯並びが悪くなってしまいます。
乳歯の虫歯が根の中まで進んでしまった場合は、乳歯の根の周りに炎症が起こり、次に生えてくる永久歯の表面の変色を起こすこともあります。
乳歯を虫歯にしない為にすること
今まで説明したように健康な永久歯の歯列へ成長する為には、乳歯のうちから管理しておくことが重要です。
特に次の事を気をつけてください。
・毎日の歯磨きがうまく行えているか。
・食事・おやつの取り方に問題がないか。
・フッ素は使用しているか。
毎日の歯磨きがうまく行えているか
歯磨きをしてないお子さんはいないと思いますが、お子さんは歯磨き初心者です。バイ菌が落ちていないことが多いです。特に生え変わりの時期は歯がデコボコしてきたり、歯が歯茎に隠れていたりと磨きにくいです。小学生のうちは仕上げ磨きをしてあげるようにしましょう。
また普段から磨き残しがないか歯科医院で細菌を染め出す検査などもすると良いです。
食事・おやつの取り方に問題がないか
歯磨きがしっかりできていても、おやつ・ジュースの頻繁が多いと虫歯になってしまいます。
食事をしているときは虫歯菌も栄養を取り込んで、歯を溶かしています。特に砂糖が多く入っているもの、歯にくっつくもの、PHの低いもの(炭酸飲料・清涼飲料等)などは虫歯になりやすいです。
おやつは時間を決めて食べるようにしましょう。
ジュースを飲む頻度が多い場合は、お茶を飲むなどの習慣を身につけましょう。
フッ素は使用しているか
乳歯はフッ素を多く取り込むことができます。
フッ素は歯の再石灰化を促したり、虫歯菌の歯を溶かす力を弱くする作用があり、虫歯予防にとても効果があります。研究によってはフッ素を使うことで15~30%も虫歯が減少したという報告もあります。
小児用の歯磨き粉や洗口剤にもフッ素(フッ化ナトリウム)が入っているものを使用するようにしましょう。
フッ素には摂取しすぎが問題になることがありますが、米国などでは水道水にも添加されているので、正しい量を使用する分には問題ありません。
まとめ
乳歯をしっかり守ることは綺麗な永久歯列を完成させるためにとても重要です。
乳歯のうちに虫歯が多くある子は、大人になっても虫歯が多くある傾向があります。
正しい習慣をお子さんのうちから身につけるようにしましょう。
また、お子さんは短期間でお口の変化が多く見られる時期なので、歯医者さんでお口の成長が問題ないかどうかも定期的にチェックしましょう。
当院ではお子さんの治療・メインテナンスも行っております。小さなお子さんも歯医者さんが楽しくなるように工夫しております。